Weekly IORIBINA!!

シゴフミ、お勧めです。

ついさっき、撮りだめしていたアニメ「シゴフミ」全12話を見終わりました。
前期のアニメの中でガンダム00、絶望先生に次いでものすごく面白かった、と思えた作品でした。
内容は、多くは語れないのでwikiからあらすじでも引っ張ってきます。

想いを残したまま亡くなった人が大切な人へ宛てて書いた手紙「死後文」（シゴフミ）を届ける死後文配達人の少女・フミカと、その相棒の不思議な杖・カナカ、そしてシゴフミに関わった人たちの姿を描く。
wikiより

基本的には一話完結の物語で、ジャンルとしては「しにがみのバラッド」と似通っています。
まぁ、こちらは死後の手紙を届け、死人の思いを伝えるのが役目で。
バラッドのほうは生きてる人間に死を与えるのが目的なので、真逆と言えば真逆のなですが。

ざっと流れを言うと。
一話ごとに登場人物が変わってゆき、その人々のシゴフミにまつわる話が展開されてゆく、と言うのが基本的な流れです。
序盤はまさにその流れで、殺人者の話であったり、自殺者の話であったり、イジメであったり、思い出であったり。
人の気持ちや、思い、葛藤、悲しみ、喜び、苦しみ、叫び。
そのほとんどの感情が詰まったエピソードで構成されています。
構成の大河内さんは本当に人間の心を書くのがお上手です。

物語の中ほど、八話あたりから主人公のフミカ自身の話になって行くのですが、その間のシゴフミエピソードや、フミカ自身の物語の構成も素晴らしいの一言でした。
とくに、フミカのエピソードは序盤で取り上げた人々の感情すべてが盛り込まれている内容で、自分から言わせてもらえば「非の打ちどころがない」の一言に尽きます。

人間はこういうものだよね、と面と向かって言われている気がする作品です。

残念ながらネット上での人気はあまりよろしくないようで、第一話と第二話の展開で見るのをやめたという方が多いようですね。
まぁその気持ちも何となくわからなくもないんですが。

生と死。
物語を作る上でどうしてもはいりこんでしまう、感情を操るのにはうってつけの要素であり、逆に使いすぎればただの残虐性をあらわすだけになるものです。
愛しい人が死ねば感動の物語になり。
憎き輩を撃ち殺せば感激の物語になり。
憎き輩が生きていればそれだけで感情は狂い。
愛しきものが生きていればそれだけで感情は狂います。
今現存する物語の中に、生と死が盛り込まれておらずに楽しめる作品は少ないのではないでしょうか？
探せば見つかるかもしれませんが、生と死を取り入れて物語を作っている物語の中で、このシゴフミと言うアニメは、今私たちが暮らす中での生と死の存在、価値観、考え方、悩みなどを完璧に書きあげている作品だと思います。

人間って、こういう風に考えるから醜くて。
こういう風に考えるから美しいんだよ、と言われているような話。
それがシゴフミを見終わっての率直な感想です。

ただ悔しいかな、こういう作品がアニメと言う形で放映されているのにもかかわらず、視聴する人間が限られているという事。
じゃ、アニメじゃなくてドラマでやればいいじゃん、と言うと、「ドラマじゃただの痛い役をやっている物語にしか見えない」と言う意見になります。
もっと、普通の人にもこういった作品があって、もっと自分たち自身を見直せる物語があることを知ってもらいたいものです。


雛是空庵はアニメ「シゴフミ」を徹底的に応援していこうかと思っています。
もう放映終了しましたけどー。


ちなみに、これの原作(？)として電撃文庫から「シゴフミ～Stories of Last Letter～」と言うものも全四巻で発売中です。
こちらはどうやらアニメの基盤を原案とした外伝的物語のようで、アニメとはかかわりがないようですね。
こちらが先行して発刊されたことで、アニメのシゴフミがこれのアニメ化だと勘違いが起きるでしょうが、内容的には異なっているため、ご確認のほど、ご購入ください。
ちなみに庵は一巻買いましたが、まだ読んでません。
狼と香辛料読んでました。
文学少女とか、黄昏の詠使い読んでました。
すいません。
感想言えません、偉そうですいませんでした。



つうわけで、アニメという隔離されているようなジャンルでも素晴らしい内容を持っているものがあるんだよ！
という気持ちを乗せつつ、今回はここまで。
ホント言うと、ここからアニメの可能性とか、ドラマや俳優が演技する物の素晴らしさと、しかしながらそこに存在する生身ゆえの限界についてとかいいたかったんですが、今回はシゴフミの話なので。
そういうのはまた機会を改めて。




素晴らしい物語はこういうことを言うんだ、と言うメッセージをかもすぞ～。





正直、世か中とかより明らかにこっちのほうが面白いと思うんだ。
ごめん。
エアーズロックで叫べばいいと思うよ。