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編集者情報!!

HN:
庵/雛
年齢:
36
HP:
性別:
男性
誕生日:
1988/03/25
職業:
週刊イオリビナ!!編集長、兼ライター、兼大学生。
趣味:
本、本、本、アニメ、ゲーム、本、本、本。
自己紹介:
お気楽人間日本代表。
好きなキャラはタルト星人。
好きな音楽はロック。
好きな本は小説本で。
嫌いな食べ物はトマト。
只今トマト撲滅キャンペーン実施中。

九州の辺境大学の学生。
いまは休学(半ばサボって)して首都で勉強中。
しかし実態はただのニート。
なるべく時間を有効につかおうとするもゲームに走る。
MGO、FIFA08プレイ中。

時間は腐るほどあるので、HPいじっていきます。




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俺たちと同人誌と、SolidStateには近づくな。

暑い。

そう愚痴らなければいけないほどの暑さがここには漂っている。
何の動きをしなくとも、自然に体から汗がにじみ出て、
まるで10kmでも走ったかのような気分が味わえる。
幸い、ここにはエアコンと言う人類の文明の利器にして諸刃の剣が存在しているので、
汗が出ても多少のことだし、少なくとも暑さで俺が死んでしまうことはない。

そんな暑さ漂う初夏の日。
俺は自室でこんなものを見つけた。



先日、ついつい購入してしまった同人誌と画集だ。
両端にあるのが同人誌、真ん中にあるのが画集。
どう考えてもその場の勢いで買ってしまったものなので微妙に後悔している。
ああ、これで俺もオタクなのか、と。
ちなみに行っておくと左側はねこうさプリンと言うサイトの管理人さんのものだ。
右側は正直言って知らん。
悪いが、ラグーンで絵がうまいと理由だけで購入した。
それ以上でもそれ以下でもない。

で、後は画集なのだが。
これが長い話になる。
結果から言えば、これは地元の本屋で見つけた。
レンタルビデオ屋もかねるその店で、俺は一人面白そうな本ないかと探していた。
そしたら見つけたのがこれだった。
なんかデッケーレヴィがいるなーと思ったら画集だった。
広江先生の画集だ。
見逃すわけには行かなかった。
そのときのことを俺は良く覚えている。

そこにあったのは残り一冊の画集と。

二人の男。

一人は俺で。
もう一人はどこぞの知れねえおっさんだ。
俺は思ったね。

「これはこの爺との心理戦だ!」と。

どちらかがこの画集を買い、どちらかがこの画集を買い損ねる。
買わなければ勝てない狂気のお買い物バトルッ!!

俺は様子見で、横目でそのおっさんを見てみた。
どこにでもいるような普通のヤツだったが、物腰はどこか違う。
まるで毎年。
そう、有明と言う名の戦場に赴く歴戦の戦士のような雰囲気をかもし出していた。
やばい、そう思った。
こいつはやりなれている。
濃厚な汗の海を泳ぎきり、広大な戦場を迷いもなく進み。
たとえ所持金を失おうとも翌日にはきっちり補充を完了する。
そんな、どんな大きな屈強にも耐え得る雰囲気がそいつから出ていたのだ。
そんな雰囲気をかもし出す男に、こんな田舎の半分ニート野郎が勝てるわけがない!
勝算はゼロに近かった。

だが。

俺はひくわけには行かなかった。
偶然に見つけたものとはいえ、これを手に入れなければファンとしての俺が許せない!
だが俺にある手段で、この横に立つ歴戦の戦士を退ける方法がどこにあるのか。

あるんだな、これが。
ひとつだけだが、確かに存在する。
それはこの状況だからこそできるものであって、なるべく速やかに行動に移さなければならない。
その名も。

「先手必勝」

この手しかない!そう思った。
現在の状態はお互い様子見をしているといったところだが、ここで俺が手を出せばそこで勝負はつく。
ヤツがこちらの手の内を呼んでいる間が絶好のチャンスであり、唯一の勝機なのだ!
勝つなら、ここしかない。

轟っ!

俺はそう判断して瞬時に手を画集に伸ばした。
だが、甘かったのだ、その判断は。

その瞬間、やつの手もまた差し出されていた!

わが目を疑った。
まさかヤツも同時に同じ結論に至るとは。
そして我が身を呪った。
こんなリスクを犯してまで、この男に戦うべきだったのかと。
潔くここは譲り、家に帰って広大なネットの一部から注文すれば良いだけのことだったのだと。
そうすればAMAZONと言う名の天使が救いの手を差し伸べてくれるのだ。
おとなしくそれにすがればよかったのに。
こんなところで見栄と欲を出すから。

しまった。
やられた。


俺は完全にあきらめた。

同じ手を素人と戦士が使うのではわけが違う。
俺はそれほどガタイも良くないし、手を差し出すスピードが速いわけでもないのだ。
そんな状態でも、先手を選んだら勝てるのではないかと言う淡い希望に負けてしまっていた。
同じ手を相手がしてくる、その状態を思いつけなかった時点で終わっていたのだ。
だめだ。
読み負けだ。
このチャンスはここでおしまい。
次にこんなチャンスはあるまい。
俺は幸福の女神からも見捨てられたのだ。
絶望だ。
視界は暗転し、差し出された手も、申し訳なさそうな速度まで下がる。
譲るしかない。
そう思ったとき。

奇跡は起きた。

俺は、何が起こったのかわからなかった。
状況を把握するのに時間を要した。
すべての混乱を理解し、把握し、掌握したとき。
俺の手には画集が握られていた。

なんということだ。
信じられない。
まさか、ヤツがこれを譲ったとでも言うのか?
そんなわけがない。
有明に訪れるものがそんな簡単に引き下がるわけがない。
時にバーサーカーとなる戦士が自身の目的を他人に譲るなんて。
俺はとっさに横を向く。
男の真意が知りたかった。
なぜ?
情けなのか。
同情なのか。
はたまた、嘲笑なのか。

そんなのはごめんだ。
真っ平ごめんだ。
だから俺は男の真意を知る必要が有る。

そう思って向いた先。

眼前に写る男の手には。



この本が握られていたのだ!

なんということだ。
図り間違え!
そんなことってあるのか。
いや、そもそもGXの本と角川の本が隣同士ってどんな状況の本屋だそれは。
突然のショックで俺はあらぬ言葉を男に向かってはいた。

「ああ、それって面白いよね」


その男が「ウホッ!良い男!」といったかどうか。
それから公園に連れ立って行ったかはともかく。
そのはかり間違えのおかげで俺は画集を入手することができた。
行幸だったといってもいいだろう。
だが、同時に己の未熟さも思い知った。


SolidStateには近づくな。



*注意!
この物語は、ほぼ全編においてうそだらけです。
ですがそこを笑って、温かく見守っていただければ幸いだと感じます。
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